Shigeko HIRAKAWA
- 光合成の木

 1.アルジャントゥイユ 2006年
 2. ルワルド市、炭鉱博物館 2007年 (ビデオ)

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ア ルジャントゥイユ 2006年
明 け方、最初の日の光が差し始めたとき



《光合成の木》
平 川 滋子 個展
フランス、アルジャントゥイユ市 企画 支援


2006年10月9日−12月2日

《光 合成の木》は、プロジェクト《空気が危ない?》の主要エレメントです。

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《光合成の木 》

われわれの社会が吐き出す大気汚染によって、森林がダメジを受け、自 然のエコシステムが侵さ れ始めています。
その中でも、われわれの酸素を作る植物 の働き である「光合成」が危機に瀕し始めていることを欧州連合の報告書に出会って知りました。 日ごろ街中にいるわれわれには気づきにくいこの自然の窮地を、視覚的に訴えるアートにしようと構想したのが、プロジェクト《空気が危ない?》です。

2004 年夏、プロジェクト《空気が危ない?》の最初のエレメント《酸素分子》をニューヨー ク州で実現したあと、2年後の2006年秋にようやく、プロ ジェクトの主要エレメントともいうべき《光合成の木》を、フランス、アルジャントゥイユ市の支援によって実現しました。

《光合成の木》とは、約20mの高さの カタルパの木に、直径22cmのプラスチック円盤を1500個とりつけたもので、円盤には、太陽光線に刺激されて着 色す る特殊ピグメント(フォトクロミック・ピグメント)が練りこんであります。
これら大量の円盤は、太陽の光の当たり 具合によって色を変化させ、日光のある昼間は鮮やかな紫色になり、太陽が隠れる夜は乳白色になって、毎日植物が行う 「光合成」を視覚化するのです。

10月に設置したアルジャントゥイユの 《光合成の木》は、カタルパがしだいに落葉し、すべての葉が散ったときに、木が光合成をプラスチックに完全に譲った かたちになり、12月には人工の「光合成の木」が完璧なかたちであらわれるという時間的なプロットが同時に観測されました



関連ページ 《空気が危な い?》プロジェクトの誕生2004を読む



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箱から出したばかりの円盤はまだ白い。


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曇りの日の作業



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2006 年10月上旬の好天の日。日光が差して円盤に色が着く瞬間

直 径22cmのプラスチック円盤、1500個
フォトクロミック・ピグメント、
鉄ワイヤ、高さ20mのカタルパの木




一日の変化


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昼間

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夕方

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10月から12月にかけて、展覧会の間の変化
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11 月の遅い午後





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2006 年12月2日の写真







 光合成の木 2007年 

      6月15日―9月 30日

歴史鉱山セン ター・炭鉱博物館 企画主催
フランス、ノール・パ・ド・カレ地方、ルワルド市
平 川滋子 個展 《光合成の木》





光合成の木、第二段。2007年、北フランスで実現。
ビデオは夏至間近の6月15日、オープニングの日。
午後4時から夜11時までの7時間のあいだに撮った映像を時間を追ってまとめたもの。